ちょっとした改造のつもりが大仕事の巻。「Zプラス」二回目。

はい皆様、一週間のご無沙汰でした。久々のガンプラZプラス」も二回目。早速参りましょう。


さて、前回は目に付いたところを気の向くままに弄くったりしていましたが、今回の中心は「足」。脚部の改造とディティールアップを中心にお送りします。

さて、まずはヒザ後の動力パイプのあたりから。

この部分、ポリパーツにメッシュ・チューブをかぶせるという中々凝った作りになっているのですが、全体的な造作がちとあっさりしすぎているような気がします。そこでパイプ基部のディティールアップとメッシュ・チューブの変更をしようと思います。

ヒザパーツはこんな構造になっています。まずはパイプの取り付け基部から。

パイプ取り付け部に金属パーツを使うため、元パーツのディティール部分を潔く切り落とします。モーターツールでざっくりと削り落とした後、サンディングスティックで面を整えておきます。



パイプの基部に使うのはHiQpartsのパワーパイプ4mm。ここで問題になるのが上側の取り付け部分です。下側よりも幅が狭いため、そのまま取り付けると変形に支障が出そうです。



そこでメタルパーツ同士の接触面をヤスリで削ることにしました。



アルミ製なので金工用のヤスリを使うと簡単に削ることができます。写真は愛用の彫金に使うヤスリ。ホームセンターなどで入手することができます。プラ用のヤスリを使うと中々削れない上、道具を傷めてしまうので注意が必要です。


さて、キット付属の黒いメッシュ・チューブの代わりに使うのが、このメッシュチューブ 約2.3mm。本体色との兼ね合いを考えて白に変更します。センチネル初出のZプラスも白いチューブだったのでそのあたりも意識して。


そして組み立ててみたのがこれ。組み付けた写真は後でね。




このあたりで、前回載せた写真をボーっと見ていて何となく気になってきたのが、なんだかポーズが決まっていないぞ、という事。いや、正確に言うと決まってないというより、微妙な違和感がある。なんだ? どこがおかしいんだ? そこで、ボーっと見るのはやめてしっかりと見直しました。

ああ、そうか、と判明したのがヒザ関節の可動部分。センチネルの作例ではヒザ上部分のパーツが横に回転するようにできていました。旧/144キットでもヒザ上の関節を新造するのが定番工作になっていたほど。このキットではその部分が固定されているので妙に爪先だけが開いている感じに見えてしまうのです。しばし悩みましたが新しく可動部を作ることにしました。


元のパーツはこんな風になっています。これをあっさりと切り離します。



はい、こんな按配。フトモモのフレーム部分に3mmのポリキャップを挟み込み、ヒザ上のパーツは外装ともども接着して接合面に1mmプラバンを貼ります。ヒザ上パーツが1mm延長されたことによりパーツの面取りが微妙になるので0.5mmプラバンを貼り付けて形状を調整します。フトモモ部分のポリキャップの位置を確かめてヒザ上パーツに印を付けておき、3mmの穴を開けてプラ棒を接着したら新造関節の完成です。簡単に書いてますがわりと手間のかかる作業でした。あんまり一所懸命だったので写真撮るの忘れちゃった。その代わりといっちゃぁなんですが出来上がりの写真をじっくり見てください。



実はヒザ上のフレーム部分は変形時の強度を確保するためネジ止めになっています。どっちにしろ関節部分を接着してしまうので、先ほどメッシュ・チューブを差し替えた部分は先に塗装しておかなければなりません。なので塗装の保護も兼ねてマスキングがしてあるんですね。
で、組み付けるとこうなります。

ヒザ上パーツの面取りがよくわかるカット。



さて、続いての作業。
元パーツの分割の都合上、スネの中身も先に塗装しておかないと接合部の接着線が消せません。

なのでスネの中身を先に塗装しておきます。ついでに塗れるフレーム・パーツも塗ってしまえ。

フレーム部分の塗装はガイアノーツEX-ホワイト65%+EX-ブラック35%にフラットベースを入れたもの。雨上がりで、塗装時の湿度が高かったので若干リターダーを混ぜています。ガイアカラーの無彩色の特徴は、殆んど色味のない純度の高いグレー。いわゆるクール系のグレーというヤツですが、本体色にウォーム系のグレーを使ったりするとうまく対比が出て、全体を引き締めてくれる効果があります。



おっと忘れてた。塗装前にスネ部分の細かいパーツを加工しておきます。

スラスター内部のフィンを薄く加工。右が加工前、左が加工後。



そのカバーパーツも面出しと同時にシャープな形状に削りだします。右が加工前、左が加工後。


フレームの塗装が乾く間に細かい部分を塗装しておきます。スネの外装を接着してしまうと大半が見えなくなってしまうので、露出する部分をワンポイント的に塗っておきます。暗いメタリックはスターブライトアイアン、金色の部分はスターブライトゴールド。白い部分はEX-ホワイトサンシャインイエローを一滴入れたものにフラットベースを加えたもの。


はい、スネのフレームが見られるのはこれが最後。

せっかくなのでディティールアップしたメッシュ・チューブ部分もね。これは完成後でも見えるけど。



そして外装を接着したのがこの写真。おお、足ができたぞ足が。すっきりスマートに開脚.

あ、書き忘れてましたが足の先端部の青いパーツは底が広く、断面が台形だったのでなるべくスリムになるようポリパテで裏打ちして削り込んでいます。






さて、この辺でいつものコーナー

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今週の「遥かなるホワイト・グリント」


ホワイト・グリント本体は今だ表面処理格闘中。意外とヒケが多く、曲面も多いので苦戦中です。
で、今回の写真はディティールアップに使うパーツの選定風景です。
その作業に必須なのがノギス。

これが無いと細かい寸法が測れません。ざっくりと取り付けても差し支えないパーツなら定規でも用は足りるんですが、コンマ数ミリでクリアランスが取れるか取れないか、といった寸法取りには必要な道具です。



ノギスで元パーツを計っていきます。自分が使っているのはアナログなタイプですが、最近ではデジタルノギスなども多く出回っていますのでそちらを利用するのも良いでしょう。はっきりいって計測数値が表示されるデジタルのほうが便利です。自分の場合は、もう10年以上も使っている道具なので手放しがたいだけです。
バーニア類の計測は直径と長さを測っておかないと、せっかくつけたパーツが全く目立たないとか、反対にやけに目立ってしょうがないとかいう事が起こりますからご注意を。



こんな所もディティールアップポイント。

グリント本体はそれほどバーニアも多くないのでたいした手間ではないのですが、

VOBは大変。こんなとこにもあったのか、というほどバーニアだらけ。

ディティールアップするのはバーニアだけとは限りません。こんな所にもいじりたいディティールが。

ディティールアップは始めるとキリがありません。気が付くとキットが芯にしかなっていなかったり、完成しなかったりという事が起こりがちです。作り始める前に「この辺でやめておこう」という大人の判断がないと『完成しない症候群』になりがちですから注意が必要です。

寸法が採れたらメモしておいて、ディティールアップ・パーツの選択を開始。目安が付いたら発注、という事になるのですが、今回もHiQpartsさんにご協力をお願いしました。毎度ご協力ありがとうございます。使用するパーツはこのコーナーで随時お知らせしていきますね。

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さて、ちょっと弄くるだけの予定だったZプラス。気が付けば関節まで作ってるという泥沼パターンに陥りかけてますが、心持としては満足してます。いいんです。これで。たぶん……。


さて、次回は細かいディティールアップや外装の塗装準備にかかります。次週も火曜日更新。ご質問やコメントもお待ちしておりますよ。
それでは次回も乞御期待!!