少ない手間でバランス変更を試みてみる。「HGUCサザビー」二回目。

はい、皆様いかがお過ごしでしょうか。
先日、某プラモコンペに参加させていただきました。いろいろな方とお会いして、非常に楽しませていただいたのですが、じつは次回開催までの「お題」としてこんなものをいただいてしまいました。
 出た! 最初に発売された1/100ガンダム!
いやー、懐かしい。これ、ポリキャップも何もなく、最大の必殺技は稼動させるとヒザ関節が「キィキィ」いうことだったりします。
しかもこれ、再販物ではなく貴重な初期型バージョンです。
 シールドのピッカリマークがデカール再現の初期型!!
これって、作るよりも保存しといたほうがいいんじゃないの、と思いつつ、いただいてきたからには作りますよ。さて、どんな仕上げにしたろうか。



というような近況報告はこれくらいにしておいて、今回はサザビー2回目。張り切ってまいりましょう。

さて、いつもの如く制作に入る前にじっくり模型を眺め回していたんですが、どうもプロポーションに納得がいかない。前回、設定画より細身な印象だと書いたんですが、全体のバランス自体が散漫な感じがするんです。でも大幅に切った貼ったをするのはいやだなぁ、と思うので、ここはひとつ知恵を絞って最小限の手間でプロポーションの変更をしてみたいと思います。


プロポーションを変更する場合、最も多い手法が各部の延長や短縮によるものでしょう。いわゆる「フトモモを○mm延長」とか「○mmカット」というような手法ですが、今回はなるべくそれを行わず、各パーツの取り付け位置や太さなどを変更してプロポーション変更をしてみようと思います。
 これはキットのまま。




さて、最初は足回りから。

まずポリパテを使って太ももの左右にボリュームを持たせます。ついでに下脚部との接合部やヒザパーツの先端もボリュームアップしておくとバランスがよろしい。


ポリパテはどんなに気をつけていても多少の気泡が入るので、溶きパテで修正しておきます。


続いてヒザパーツを切断、

右側の写真の黄色い線に沿ってエッチングソーで切り離します。切り離したパーツを接着し、アーマーパーツを取り付けるとこんなふうになります。

これをヒザの関節パーツに直接貼り付けるのですが、その前に関節部分のディティールアップをしておきましょう。


この真ん中のパーツ。


関節パーツの側面をディティールギリギリくらいまで削ったら、 ツインサークルIIの直径9mmの物を加工して取り付けます。

写真右の右側に写っているのがノーマルのツインサークル。左は下面1.5mm、上面0.5mmほど削ったもの。

組み付けるとこうなります。フトモモから関節部にかけてボリュームを持たせたことで、見た目に長さが短く見えるはず。おまけにヒザアーマーをフレーム部につけることでMGっぽい可動とヒザを曲げたときのスカスカ感がなくなります。



足首はポリパテで裏打ちし、側面をスリムに削りこみます。靴底パーツの前半分しかいじってませんが、先端部に1mmプラバンを貼ることでより細長く見えるはず。


はい、こんな感じで出来上がりました。未加工のものと比べてみてください。この後、各部のディテールを追加していきます。





腰のサイドアーマーは腰フレームを切断して、付け位置自体を他のパーツに干渉しないようギリギリに上げました。パーツの延長をするより楽チンです。この腰部アーマーの付け位置が意外と重要です。

今回唯一のパーツ延長箇所はフロントアーマー。何とかできないかと色々試行錯誤したんですが、ここだけは素直に延長したほうが良いと判断しました。長さ2mm、サイド部分に1mmプラバンを貼り、ついでにスラスター部分をくり抜いて市販パーツを組み込みました。裏は0.5mmプラバンでフタをしてあります。


リアアーマーは未加工、のつもりだったんですが、背部スラスターとスカートの排出口? 的なディティールの角度が微妙だったんで、その部分だけ切り取って新造パーツを埋め込みます。

詳しい理由は次号で書こうと思います。で、新しく作ったパーツがこちら。

プラバンの箱組みと市販パーツを使いました。毎度のことですがプラバン加工にはマスメツールが大活躍。

そして、組み付けたのがこちら。

この後ディテールを追加して仕上げます。




さて、続いては腕まわり。

どうも気になるのが二の腕にかぶさるスラスターカバーの断面がカマボコ型なところ。

そこでポリパテを盛って丸い形状に変更します。

右がキットのまま。左が修正後。


肩パーツは胴体から見て放射線状に上へ向かってボリュームが出るように。スラスターカバーは形状変更後内側を丸く削っています。


次は前腕部。

なんとなくピーナッツの殻みたいな形を、それなりに調子が付くように整えています。

取り付けてみると、立体感がました感じがして中々よろしい。

ついでに胸両脇のパーツもちょっと加工。整面でシャープにし、脇のスリットを開口しました。


さて続いては頭部の加工。

意外とあっさりなキットの形状。そこで後頭部のパーツのみをポリパテでボリュームアップ。形状変更します。

これは「小顔だけどインパクトがある形状」を目指して行ったもの。フェイスマスクの小型化をしなくても後ろ側をボリュームアップすれば小顔に見えるだろう、という魂胆です。ちょいとお遊びで小径バルカンなども装備できるようにしてみました。

中々男前になったじゃぁないか。



さて、この辺で、

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今週の「遥かなるホワイト・グリント」


さてさて、今週のホワイト・グリントですが、本体も大分出来上がってきたのでVOBとの合体状態を見ていただこうかと思います。


大分出来上がってきたとはいえアマコアきっての大型キット。早々フィニッシュまでは持っていけず、細かい仕上げをコツコツ進めているところです。

三面はこんな感じになっています。

ブースター周りは「なんじゃこりゃ」状態で、思わず気が引けてしまいます。

「頭はどこだ?」と探してしまうのがこの機体の特徴。

はい、ここにあります。

表面処理も大体済んでいますので、スジボリなどの彫り直しと新規パーツの取り付けにかかります。
すいませんが、完成は気長にお待ちください。

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さて、てなところで今週もそろそろこの辺で、という感じですが、最後に今週の成果を見ていただきましょう。

はい、向かって左側が改造後。右側がノーマルです。ホワイト・グリントを見た後だとやけに平和に見えますなぁ。
この写真だとあんまり変わって見えないかもしれませんが、こうすると……

写真は最初のものを半分マスクしただけ。腰周りからヒザにかけて注目してください。デザイン・ラインが結構変わっているのがわかっていただけるかと思います。まあ、果たして切った貼ったとどっちが早いのかといわれると微妙ですが、こっちの方が簡単だったと信じたい。


今回はこのキカイダー状態でお別れです。この後左半身の加工をして、次週はディテールアップから塗装前まで行きたいと思っています。果たして間に合うかな?



というところで今週はここまで。次週も火曜日更新です。
コメント、ご質問、スポンサードしてくださる企業の方もどしどし募集中です。

てな訳で、次週も乞御期待。