D型ジェガン完成の巻。そして反省会。

はい、皆さんご機嫌いかがですか。
今回は「D型ジェガン完成編」。出来上がった模型を公開します。まずは基本カットから。

細かい改造箇所の説明は省きます、これまでの記事を参考にしてくださいね。
続いて武器を装備したカット。



ちょいと俯瞰で撮ってみました。

基本色は説明書の指定よりもずいぶん白め、グレーは前回参照の「俺グレー」の明るいほう。足の甲などのブルー系は説明書よりグレイッシュにしました。デカールNCデカールのオレンジをメインにあっちこっちから流用。オレンジってこんな感じの機体色の時にこそ使うべきかと思って。連邦マークやら何やらもオレンジ統一できると良かったんですが、家のアルプスプリンターはウンともスンとも言わなくなって久しいので断念。


◆ここでちょっと塗装の話◆

オリジナルカラーを調色する際、単色の調合はできるのに、他の色、例えば第二の本体色とかフレーム色とかと合わせたときにちぐはぐになってしまう、といった話を聞きます。これ、色々と原因はあるんですが、一番の解決方法は「塗って確かめてみる」ということに尽きます。そんなことやってるよ! という人もいるでしょうが、ちゃんと模型本体と同じ条件でテストしていますか? 端切れのプラバンに使用色を塗って確かめてもダメ。白地ですから。意外と多いのがサフのグレーに影響されて、各色のバランスが微妙に狂う場合。彩度の低い、濁った色の場合は影響が少ないのですが、ビビットカラー=原色に近い、彩度の高い色の場合、極端に発色が変わることがあります。

先ほどから彩度という言葉を使っていますが、これは色を表現する要素のひとつで、色とは「彩度」「明度」「色相」の三要素で表されます。「彩度」は色の鮮やかさ、「明度」は色の明るさ、「色相」は色の傾向(色号という)を表します。複数色のマッチングがうまくいかない人は、この三つの要素のうち、どれかが念頭消失してしまっていることが多いようです。詳しく言えば各要素での補色関係とか、色環の話とか色々あるんですが、それはまたいつかじっくりと。それまで関連用語を検索などしてお待ちくださいね。

ついでなので今回使用した色についてちょっと説明。

全く正確というわけではありませんが、上が説明書に書いてある機体色、下が今回使用した色です。本体色とブルーはかなり彩度を落としたり、明度を上げたりしています。
この地球上では、18mの物体が10cmに見えるまで離れた状態では、その物体の色がかなり違って見えます。例えばクリーム色のビルなんかは白っぽく見えるし、濃緑の山なんかはより黒っぽい緑に見える。なので薄い色の場合、かなり白めに調色するのが私のデフォルトです。今回は1/144ですので1/100よりさらに白っぽく調整しました。この現象は大気の影響によるものなので、宇宙ではとんでもなく「そのままの色」に見えます。NASAの写真なんかを見るとわかりますね。MSは基本的に宇宙兵器ですから、私たちが普段見ている視覚感覚を利用して「ホントは大きいですよ」と嘘をついているわけです。まあ、これはあくまでガンプラを「スケールモデル」としてみた場合の考え方の一つだと思いますので、「これはキャラクターモデルだ」とか「これはフィギュアだ」とか考える方は自由に彩色していいと思います。オブジェクトとしての充実感は十分ありますもんね。どんな形であれ、作って楽しむのが模型ですから。あ、ちなみに、グレーは無彩色(白黒)の混色ではない「俺グレー」(前回参照)なのであらゆる色とマッチングがよいです。ご参考までに。


さて、作例紹介に戻りましょうか。

三面はこんな感じ。

他の型のジェガンより頑丈そうで、重量感のある感じは出てると思うんですけどね。



バックビューではやはりスラスターが目を引きます。拡大してもらえるとわかると思うんですが、ツインサークルやヒザ裏のデュアルパイプが非常に良いアクセントになっています。バックパックの側面にもデュアルパイプを使っています。新造した肩アーマーの中身は市販のプラパーツでスラスターを表現しました。

バーニアはジャストサイズで収まってます。特に脚部のバーニアは絶妙のチラ見え具合でオススメ。


頭部はほぼノーマルで、バイザーにはお約束のデカール。胸部は2mm延長して面取りを変え、ダクトは形状変更とともに開口、フィンを埋め込みました。胸上面の楕円形の出っ張りは、形状変更の際に削り落としてしまったのでプラ棒で新造。中から生えているような雰囲気を狙ってみました。


腰サイドのサーベルラッチはこんな風に。


実はメタルソードグリップをもう一本使ってポージング用のサーベルを作っています。いくらプライマーを塗ったとはいえ、頻繁に取り外していると確実に塗装がはげると思ったもんで。4本入りなので、量産機を作ると余裕があるんですね。

 おかげで、心配せずに遊べます。


反対側はこんな感じです。腰周りはディティールの密度が高い場所なのでリベット、モールドパーツの効果大です。ついでに胸のサイド面にも注目。ここにもメタルモールドを使用しました。


 ラッチを可動式にしたので、こんな風にも遊べます。




お次はシールド。今回、妙に力の入った部分です。


マウントラッチの装着図。結構違和感なく収まってるでしょ。

ラッチとシールド双方に仕込んだネオジム磁石のおかげで、レールのあるところにならどこにでも「カチッ」と収まります。多少力が加わって、磁石同士が離れても、微妙に保持してくれます。恐るべしネオジム磁石



マシンガンはこんな感じになりました。今見ると多少厚みが足りない感もあるので、気になる方は改修するのも良しです。

後はもう、てんで勝手に遊びます。


そしておもむろに反省会。

実はきちんと1/144を作るのは数年ぶり。おかげでどうもスケール感がおかしい。頭の中が1/100になってるんですね。ディティールのサイズとか今一イメージしにくかった。デカールもちょっと多かったかな? 1/144としてはデカールオーバースケール気味なので控えめなほうが良かったかも。本体のC面(角の面取りのことね)はこのスケールでは微妙だな。場所によってはいらないかも。なんて色々ありますが、なんせ「ちっちゃくて作りにくいなぁ〜」というのが本音です。スジボリとか異様にやりにくかった。あと写真が下手だ! スタジオ撮影というわけにも行かず、環境の悪い自宅撮影なので……といういい訳をしておこう。すいません。精進します。これが1/100位に見えると、まあ……成功なんですけどね。中々難しい。

さて、気を取り直して次回は特別編、やってみようシリーズ。第一回は「スジボってみよう」。クシャトリアの作例と同時進行でやろうと思ってます。よし、次回もがんばるぞ。
そんなところで、次回も乞御期待。