ヤスれよ。さらば道は開かれん。

さて。

今回のお題はHGUCジェガンをD型に、しかもカッコよくしよう」プロジェクト。早速、制作にかかりましょう。

今回のようにパーツを丸ごと差し替える、または新造するという場合はプロポーション上ポイントとなる新造パーツの制作からはじめます。図面を引くのもいいですな。正確なパーツが作れます。
今回は面倒なんでやってないけど。

この「図面を引くか引かないか」の判断ですが、私の場合、構造上「こりゃあ図面がないと厄介そうだ」と思ったときに引くようにしています。模型制作全般に言えることですが、結果として思ったとおりの形になれば言い訳で、明確な基準なんてないと思っています。その辺は個人の力量と技術を基準に判断しましょうね。

で、肩パーツ。
いつもの感じの作業を紹介すると、


1)まずは既存のパーツに一番近い所を切り出します。


2)まあ、こんな感じかなあ、というところでプラバンを液状の瞬間接着剤で点付けして重ねていきます。


3)必要な枚数分重ね終わったら、最後に1のパーツを乗せて切り出し。


4)はい、このとおり。同じ形のパーツが4つ出来上がりました。

この後、必要に応じて溶剤系の接着剤などを流し込んで接着します。パーツごとの加工が必要なときはカッターの刃などをプラバンの隙間に入れていくと「パキッ」とはがれます。
今回は軽量化と肩口のスリットを掘り込む手間を避けるためプラ棒で高さを作りました。なので、4の写真の後、重ねたパーツ2枚分を「パキッ」と分解、片方に組み付け用の穴開け加工した後、全てをばらし、プラ棒をはさんで接着しました。
そうそう、最初にプラバンを重ねるときは液状の瞬間接着剤を使ってくださいね。粘度の高いものだとしっかりくっついてしまって、後からはがすのが一苦労です。あくまで液状瞬着の点付けで。


パーツのベースができたらヤスリやカッター、彫刻刀などで形を作っていきます。
そこで大活躍なのがこれ

きれいなのもあるんですが「こんだけ使ってます」ということで、あえて使用中のものを撮りました。
これね、実際使ってみないと良さがわかりません。私の場合、使い始めてからというもの、これまでの金ヤスリの出番が殆んどなくなりました。じゃあ、どれだけすごいかという実験。

ユニコーンのクリアパーツのランナーにサンディングスティックをかけてみましょう。
まずは240番から



320番


400番


600番


800番


1000番


1200番


1500番

ね、すごいでしょ。写真だとわかりにくいかもしれませんが、これ、一生懸命やったというよりも各番手でささっとヤスったという感じです。コツとしては番手を飛ばさず、なるべく平滑にヤスること。加工時に必要なのは大体240〜800番なので、一通りそろえておくことをオススメします。その方がヤスリの持ちもいいので結果的に経済的です。

また、こんな使い方もオススメ。


はい、細切りヤスリ。切断にはこんな工具を使います。

金バサミなんかを使ってもいいのですが、角がよれたりするので。カッターだと刃が折れそうで危険ですが、これなら心配ないし、切れ味が落ちたら刃の交換もできます。で、使い方はこんなふう。

サフを吹いたところ修正点が見つかったのでプラパテで修正、ヤスリがけをしているところ。これなら細かいところのヤスリがけも楽チンです。


さて、話を戻してジェガンの肩パーツ。
240番と320番のサンディングスティック大活躍でできたのがこれ。

ちょっと大きいので修正して複製します。やっぱり図面引いときゃあよかった。もうワンセット作ってもいいんですが、精度の問題で複製したほうが確かだと判断しました。



この際、ついでに腕も加工しちゃいましょうか。
キットのも物に比べ、D型ジェガンの腕は四角く直線的な印象です。なので、ヤスリがけをした後にプラバンを貼り、無理やり直線的な形状に変更します。

左がキットのまま、右がプラバン加工後。


このときに便利なのがこれ

必ずといっていいほどできるプラバンの隙間に埋め込んで、硬化剤をひと吹きすれば待たずに成型できます。

上の写真の場合、オレンジの線で囲った部分に隙間ができるのでクリアパテを盛り、成型しています。なんといっても時間と競争のライターにとっては待ち時間がないのがうれしい限り。

そんなこんなで大体の形ができたのがこれ。下腕部の大きい面には後で角度をつけます。何で後でなのかは後ほど。
ここでは関節パーツに注目。


まずは関節パーツのディティールをヤスリで落として、


センターに穴を開け、


3mmのマイナスモールドをはめ込む。


はい、これでディティールアップ出来上がり。あえて元モールドより一回り小さいものを選びました。その理由は量産機っぽい華奢さを出したかったのがひとつ。もうひとつは、このパーツの形状を考慮したとき、元パーツより面がひとつ多い分情報量が増えます。横から見るとこんな感じ。

なので一回り小さいくらいのほうがさりげなくていいかな、と思った次第。あんまり大きいと、いかにも「パーツ変えてます」的な雰囲気が出ちゃいますからね。大人はさりげないくらいがちょうどいいんです。もし寂しかったら後で大きいパーツに差し替えようっと。

で、その後に下腕部の面成型。

実はキットのままだと関節の中心と下腕部の山の中心がずれてるんです。それを修正したかったので関節部分を先に仕上げたというわけ。


で、今回まではこんな感じ。

え、記事になってない部分も変わってるって? それは次回のお楽しみ。

それでは今回はこの辺で。
次週も乞御期待。